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柴本 泰照; 久木田 豊*; 中村 秀夫
日本機械学会論文集,B, 71(703), p.825 - 832, 2005/03
移動液表面近傍の速度場と圧力場を非接触で計測する手法を開発した。本手法は、自由表面の形状測定に基づいて行われる。速度場と圧力場は、境界要素法(BEM)を用いて、時間依存の流体表面形状に課せられる運動学的境界条件を満足するような非圧縮流れ場を捜し求めることによって導出される。本手法を水銀プール表面に水ジェットが衝突する現象に適用した。BEM順問題計算により表面運動を計算し、この表面運動から速度場と圧力場を逆算することで手法の成立性を検証した。逆算結果は、BEM順問題計算での圧力分布とよく一致した。
柴本 泰照; 久木田 豊*; 中村 秀夫
Proceedings of 5th International Conference on Multiphase Flow (ICMF 2004) (CD-ROM), p.217_1 - 217_9, 2004/05
移動自由表面上の圧力分布を間接的に測定する新しい方法を開発した。従来、PIV等による速度場データを入力として圧力場を求める間接測定法では、圧力のポアソン方程式(PPE)がしばしば用いられてきた。この方法ではPPEが圧力と速度の空間差分で表されているため、自由表面上では圧力のノイマン境界条件(dp/dn)を与える必要があった。しかし移動境界では固定壁と違い、自らの運動のためdp/dnがゼロではない未知の値となり、事実上ノイマン条件を与えることができない。さらに、移動境界では速度場の計測自体が困難である。そこで本方法では、PPEを使わず、表面の変形だけからそこに加わる圧力分布を推察することを試みた。界面の変形は速度測定より遙かに容易で、不透明液体にも適用可能である。この方法では、ポテンシャル流れの仮定の下、自由表面形状の測定と境界要素法(BEM)に基づく数値計算を組合せることで表面の変形から表面上の局所流速を求め、これをBernoulliの圧力方程式に代入することで表面上の圧力分布を得る。局所速度(速度ポテンシャル)は、2時刻の界面データから決まる局所の幾何学条件と、流れ場の方程式を連立させて解くことで得られる。本方法を、圧力分布が既知の移動界面データを入力に検証したところ、予測値は参照値とよい一致を示した。
山根 祐一; 三好 慶典; 佐橋 直樹*
JAERI-Tech 97-039, 16 Pages, 1997/08
直方体タンク液面傾斜に伴う幾何学的バックリングの変化を3次元境界要素法を用いて解析した。液位がHのとき、タンク底面の長さlの辺の方向への液面傾斜により、H/l0.5であれば幾何学的バックリングは増大し、H/l0.5であれば減少する。また、タンク底面の長辺の長さLに対するHの比がおよそH/L0.5であれば、短辺の長さや傾斜方向によらず、液面傾斜により幾何学的バックリングは増大する。底面が正方形であれば、液面傾斜の効果は傾斜方向に依存しない。定常臨界実験装置STACYの280T平板タンク(70cm28cm)においては、液位が40cm以下では臨界にならないように運転される。この炉心形状においては、液面Hが35cm程度より高ければ液面によって反応度は減少する。
村松 壽晴
PNC TN9410 96-136, 92 Pages, 1996/05
高速炉の炉心出口近傍では,炉心構成要素毎の熱流力特性(集合体発熱量,集合体流量)の違いから,炉心燃料集合体間あるいは炉心燃料集合体-制御棒集合体間などで冷却材に温度差が生じ,それらが混合する過程で不規則な温度ゆらぎ挙動が発生する。この温度ゆらぎを伴った冷却材が炉心上部機構各部(整流筒,制御棒上部案内管,炉心出口温度計装ウェルなど)の表面近傍を通過すると,冷却材中の不規則な温度ゆらぎが構造材中に伝播し,その材料は高サイクル熱疲労を受ける(サーマルストライピング)。特に,冷却材として液体金属ナトリウムを使用する高速炉では,大きな熱伝導率を持つナトリウムの性質から,この熱疲労に対する配慮が必要である。本研究では,構造物熱応答挙動を容易に解析評価できるようにするために開発されている境界要素法コードBEMSETを用い,各種の温度過渡条件(正弦波温度過渡,一様乱数温度過渡および正弦波上に一様乱数を重畳させた温度過渡)下におけるSUS316製円筒構造物の熱的応答基本特性を検討した。この検討の結果から,温度過渡挙動が明瞭な周期性を持たない実際の高速炉プラントを評価の対象とする場合には,炉内構造物の熱的応答特性は流体中の不規則温度ゆらぎ挙動に強く依存するととが考えられるため,これを発生させる乱流現象の評価が極めて重要であることを明らかとした。
山根 祐一; 板垣 正文; 佐橋 直樹*
JAERI-Tech 96-018, 14 Pages, 1996/05
円筒タンク液面傾斜に伴う幾何学的バックリングの変化を3次元境界要素法を用いて解析した。円筒形状において液面傾斜がバックリングに与える効果は円筒の直径Dと高さHの比に依存する。閾値H/D~0.454が存在し、H/Dがこれより大きい場合バックリングは液面傾斜とともに単調に増加する。H/Dがこれより小さい場合、バックリングは液面傾斜とともに単調に減少し、これに伴って反応度が増加する。定常臨界実験装置STACYにおいて運転条件下の液面傾斜の効果は反応度を下げるように作用することが確認できた。このような系統的な解析に、境界要素法が有効であることがわかった。
板垣 正文; 佐橋 直樹*
Journal of Nuclear Science and Technology, 33(1), p.7 - 16, 1996/01
被引用回数:9 パーセンタイル:62.07(Nuclear Science & Technology)3次元中性子拡散方程式を解くために2次のアイソパラメトリック境界要素に基づく境界要素法が適用された。この定式化で生じる特異積分の計算では、四辺境界要素を4個の三角形に分割した後、曲座標変換をほどこすことによって避けることができた。中性子拡散方程式に対応する境界積分方程式の中に含まれる領域積分は、その積分が一様中性子源や減速中性子源に起因する場合は等価な境界積分に変換できる。無限反射体の外側境界には境界要素を設ける必要がなく、また、鏡像の考えを用いればさらに対称面にも境界要素を設定する必要がなくなる。テスト計算の結果、アイソパラメトリック境界要素は不規則な幾何形状を取り扱うのに極めて有用であり、ここで開発した手法は未知数の数が少なくてすむにもかかわらず高精度の解を与えることが示された。
板垣 正文
ICNC 95: 5th Int. Conf. on Nuclear Criticality Safety, 1, p.6.25 - 6.31, 1995/00
境界要素法は不規則または複雑な幾何形状を持つ体系の臨界問題に適用した場合に真価を発揮する。境界要素法では体系の境界のみを離散化し、領域内部をメッシュ分割しないので入力データの作成のみならず修正が容易であり、パラメータサーベイに向いた計算法である。中性子拡散方程式に対応する境界積分方程式には元々、核分裂中性子源に起因する領域積分が含まれるが、最近の多重相反法という新しい考え方を導入することによって等価な境界積分に変換できるようになった。また、中性子源反復計算の過程で実効増倍率そのものも境界積分だけを使って計算する方法が考案された。これらの研究成果により領域のメッシュ分割が全く不要となり、境界要素の持つ本来の利点が最大限に活かせるようになった。主に2次元問題における数値技法、テスト計算を中心に議論を進めるとともに、研究進展中の3次元境界要素法にも触れる。
板垣 正文; 佐橋 直樹*
境界要素法論文集第11巻, 0, p.13 - 18, 1994/12
境界要素法を用いて3次元中性子拡散方程式を解くにあたり、核分裂中性子源に起因する非斉次領域積分項を等価な境界積分に変換するために多重相反法を用いた。2次元問題では1次以上の高次基本解に特異性がなかったが、球Bessel関数を使った3次元高次基本解は、いかなる次数でも1/rの特異性を持つ。このため、多重相反による境界積分は高次基本解の次数に応じた特異点定数を含む。中性子源反復計算において、臨界固有値は中性子流の境界積分による漸化式で求まるので、結局、領域の内部を一切メッシュ分割する必要がない。一辺50cmの立方体で、隣接し合う3面に零中性子束、残り3面に零中性子流境界条件を与え、多重相反境界要素法による中性子源反復計算を行った。Wielandtの原点移動法を併用すると安定収束が保証され、かつ、極めて速く収束する。臨界固有値の計算値と真値との一致は極めて良好である。
佐橋 直樹*; 板垣 正文
境界要素法論文集第11巻, 0, p.7 - 12, 1994/12
3次元中性子拡散方程式に対応する境界積分方程式で中性子源項は一般に領域積分となり、このままでは積分のため領域内部をメッシュ分割する必要がある。しかし、一様中性子源と減速中性子源については、各々、Gaussの発散定理、Greenの第2公式と中性子拡散方程式の性質を使って等価な境界積分に変換できる。また、エネルギー2群以上の問題や一様中性子源と減速中性子源の混在する問題にも拡張できる。本手法に基づき、アイソパラメトリック2次境界要素による3次元コードを開発した。本コードでは領域内部を一切メッシュ分割する必要がなく、また、鏡像の考えを持ち込むことで対称面に境界要素を配置しなくてよい。無限反射体で炉心/反射体境界のみを境界要素分割すればよい等の工夫が凝らされている。反射体を含む3領域問題について差分法と比較し、未知数の数が少なくても高密度の結果が得られることが示された。
板垣 正文; 三好 慶典; 広瀬 秀幸
Nuclear Technology, 103, p.392 - 402, 1993/09
被引用回数:4 パーセンタイル:44.87(Nuclear Science & Technology)任意の正多角形に対する幾何学的バックリングは、対応する外接円の半径をRcとする時、Bg=(a/R)の形式で与えられることが判った。ここで定数aは多角形の種類によって決まり、正方形では、辺の数が無限個とする極限に相当する円に対しては2.405の値がとられる。近年、研究が進められている新しいコンピュータ解法である多重相反境界要素法を用いて広範なサーベイ解析を行なったところ、定数aの値は典型的な正多角形である、正三角形、正五角形、正六角形及び正八角形の各々に対して、4.190、2.821、2.675及び2.547のように計算された。今回の一連の解析を通して、多重相反境界要素法は任意形状を持つ体系の幾何学的バックリングを評価する上で極めて有効な解法であることが立証された。
板垣 正文; C.A.Brebbia*
境界要素法研究会BEM・テクノロジー・コンファレンス論文集, p.59 - 64, 1993/06
中性子拡散方程式はHelmholtz方程式+B=0の一種である。この式を+Bo+/=0のように変形する。ここにBoはBの推定値である。/をソース項とみなせば、の値を探索するのに原子炉解析で広く用いられているソース反復の手法が使える。2次元問題に対する境界積分方程式が、複素関数であるHankel関数に基づく基本解を使って導かれる。多重相反法を適用することにより、上記ソース項に起因する領域積分が境界積分のみの級数に変換される。また、固有値Bも二つの境界積分の比として与えられ、多重相反境界要素法による固有値探索の過程では、領域内部に関しての情報が一切不要となる。多重相反計算の収束安定性について考慮が加えられ、BoB/2を満たすように推定値Bo選ぶと安定な収束を保証できることが判った。
板垣 正文; C.A.Brebbia*
Boundary Element Methods, p.79 - 88, 1993/00
ここで提案する方法では、通常のHelmholtz方程式を源項を持つ方程式に変形し、源項反復によって固有値を求める。これを境界要素法で解こうとする時、源項に起因する領域積分が生じるが、多重相反法を適用して等価な境界積分に変換できる。固有値自身も二つの境界積分を用いて表わされる。従来、この種の問題を解くのには行列式サーチが多く用いられていたが、数値的に不安定で大規模な問題に対しては取扱いが困難であった。提案する方法は原子炉解析で中性子源反復法として実績のある源項反復法に基づいていることから安定な収束が得られる。二次元の計算例に対する結果から、この方法による固有値探索は収束が極めて早く、Helmholtz型固有値問題の解法に有効であることが示された。原子炉の臨界解析のみならず、音響、振動、波動等、Helmholtz方程式で記述される多くの工学問題に適用可能である。
板垣 正文; C.A.Brebbia*
Engineering Analysis with Boundary Elements,11, p.39 - 45, 1993/00
エネルギー1群の核分裂中性子源反復計算を境界要素法で実行する際に多重相反法(MRM:Multiple Reciprocity Method)をあてはめた定式化を試みた。第m回目の中性子源反復において核分裂中性子源に関わる領域積分が、多重相反定理の活用により、(m-1)個の境界積分に変換される。この境界積分の実行には零次から(m-1)次の高次基本解が必要であり、2次元問題では高次の変形ベッセル関数を使って記述される。またこの境界積分では、過去の中性子源反復で計算された境界上の中性子束及び中性子流を保存しておく必要がある。ここで示された定式化は2次元問題と3次元問題の両方に適用可能である。この定式化に基づく計算コードが実用になれば、領域内部の情報は全く不必要になり、境界のみを離散化すれば良いことになるので、境界要素法が持つ本来の利点が最大限に活かされることになる。
板垣 正文; C.A.Brebbia*
Engineering Analysis with Boundary Elements,11, p.87 - 90, 1993/00
2次元修正ヘルムホルツ方程式で記述される物理現象を多重相反境界要素法で解く際に必要となる高次基本解を導いた。(L-1)次の基本解をソース項にもつ方程式の第L次基本解は=A(kr)K(kr)の形式をしている。ここにK(-)は第L次の変形ベッセル関数であり、係数AはA=A/(2Lk)で与えられて、初期値はA=1/(2)である。第L次基本解でこのように表わされることが示される。本報で示される高次基本解導出のプロセスは他の工学問題の微分方程式においても応用し得るものである。なお、修正ヘルムホルツ方程式は、そのまま中性子拡散方程式と同一型式であることが知られており、原子炉解析への応用が考えられる。
板垣 正文; C.A.Brebbia*
Boundary Elem. Abstr. Newsl., 3(2), p.67 - 70, 1992/03
中性子源反復計算を多重相反境界要素法を用いて試みた。この方法の利点は、問題とする領域の内部をメッシュ分割する必要がなく、境界のみを離散化して境界要素を定義するのみで良いことである。また、不規則な幾何形状を容易に扱えることも利点であり、将来の炉物理解析の自由度を格段に高める潜在的可能性を有している。解析解が得られている簡単な2次元1領域問題を例題として、中性子源反復の進行によって実効増倍率がどのように収束していくかを調べた。反復過程の早い時期に実効増倍率は真値に極めて近づくが、その後、徐々に真値より離れていく現象がみられた。これは、第m回の反復において最高(m-1)次の高次基本解が使われており、まるめの誤差が蓄積したためと考えられる。まるめ誤差の蓄積は、ある条件式に数値をあてはめた時に1を超えた場合に顕著となることが明らかとなった。
板垣 正文; C.A.Brebbia*
Boundary Elements XIV, Vol.1; Field Problems and Applications, p.25 - 38, 1992/00
境界要素法を臨界計算に適用した場合に現れる領域積分項を境界積分に変換する二つの方法、二重相反法と多重相反法について記述する。二重相反法では、核分裂ソース分布をフーリエ級数に展開し、個々の展開項をソースとする拡散方程式の特解を利用して領域積分を等価な境界積分に変換する。必要な展開係数は別の境界積分により自動的に与えられる。多重相反法では中性子源反復の回数に応じた次数の高次基本解を用いて相反定理を繰り返し適用して境界積分のみによる定式化を行う。この方法では境界上の中性子束と中性子流を反復の度に記憶する必要があるが、精度の高い結果が得られやすい。二つの方法とも、本来、中性子束の領域積分の比で与えられる実効増倍率を境界積分のみによる表示とし、計算の効率化を図った。簡単な数値計算例について両者の得失を議論すると共に、今後の開発課題についても触れる。
板垣 正文; C.A.Brebbia*
Engineering Analysis with Boundary Elements, 10, p.345 - 352, 1992/00
被引用回数:9 パーセンタイル:73.05(Engineering, Multidisciplinary)多重相反境界要素法を用いて中性子源反復計算を行う時、ある収束条件が満足されないとまるめ誤差が蓄積していく現象がみられる。この論文はこの数値誤差を除去できる多重相反法の新しい定式化を提案する。上記の収束条件が常に満足されるように中性子拡散方程式をWielandtの原点移動法の考え方に沿って変更する。この場合、境界積分方程式の組立に必要な基本解は、従来法では修正Helmholtz方程式での基本解であったのに対し新しい方法では標準のHelmholtz方程式に対するものとなる。この点を除けば境界積分方程式の型式は新旧で同一である。テスト計算の結果新しい方法によると中性子源反復は急速かつ安定に収束しまるめ誤差の蓄積に伴う数値的不安定現象はもはや見られなくなった。
板垣 正文; C.A.Brebbia*
Engineering Analysis with Boundary Elements, 8(5), p.239 - 244, 1991/10
被引用回数:9 パーセンタイル:76.25(Engineering, Multidisciplinary)近年着目されている数値解法である境界要素法を中性子拡散方程式にそのまま適用すると核分裂中性子源に関する項は領域積分となり、境界要素法の利点が十分に活かされない。本論文では、このような領域積分を等価な境界積分に変換する一般的手法を与えている。まず、実効増倍率は境界上の中性子束と中性子流のみを境界積分することで求められる。核分裂中性子源と基本解の積を核とする領域積分は、核分裂中性子源分布をフーリエ級数に展開することによって等価な境界積分に変換できる。この際に必要となるフーリエ展開係数は同じく境界積分で与えられるが、中性子源反復過程では前回の反復で得られた展開係数を使った漸化式の形式で与えられるので、効率的に反復計算を進めることができる。
板垣 正文; C.A.Brebbia*
Nuclear Science and Engineering, 107, p.246 - 264, 1991/03
被引用回数:15 パーセンタイル:81.74(Nuclear Science & Technology)加圧水型原子炉の炉心-反射体境界またはバッフル板表面に設定するエネルギー依存行列形式の境界条件を計算する目的で境界要素法を用いた。この方法を用いると、内側に凸のL字形境界のみならず、従来解析の困難であった外側に凸のL字形境界も含むあらゆね幾何形状の境界を一回の計算で処理可能となる。さらに、この方法はエネルギーが3群以上であっても適用でき、バッフル板のある反射体も無い反射体も扱うことができる。エネルギー2群など3群からなるいくつかのテスト計算では、この境界条件計算によって得た反射体境界条件を設定した有限差分計算結果は反射体も含めて行なった基準計算結果と較べて高い精度で実効増倍率及び中性子束分布を再現できることが示された。
板垣 正文; C.A.Brebbia*
Boundary Elements XII, Vol.1; Applications in Stress Analysis, Potential and Diffusion, p.227 - 239, 1990/00
中性子拡散問題で遭遇する二領域に挟まれた薄い帯状域を解析する為に従来よりも効率的な境界要素解法を提案する。帯状域の両表面における中性子束と中性子流とを関係づける解析表示が1次元中性子拡散理論から導出される。中性子束と中性子流の連続条件を用いると、帯状域に隣接する二領域の各々に対して設定した境界積分方程式の離散表示は上記の解析表示を介して結合されることができる。即ち、二つの領域と帯状域の組合わせから成る全体系がただひとつの行列方程式によって記述される。この場合、従来の境界要素法では帯状域表面の中性子束と中性子流の全てが未知数として定義する必要があったのに対し、本方法では帯状域に対して要求される未知数の数が半分に減らされている。このような解析モデルの簡素化にもかかわらず、中性子束分布の計算結果は十分精度の高いものであった。この方法の活用により境界要素法の応用範囲が増大する。